すいーと・すいーと
黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
いきなりですが、撃沈ですorz
いや、あのですね……昨日言っていた、
今週の更新の件、なんですが…
結局、ひとつしか書きあがりませんでした…orz
ちょ、ちょっと過去に書いたものを、
何か引っ張ってくることにします…
とりあえず今日は、昨日書きました1本を!(汗)
今日アップするのは、昨日言っていたクラティーです。
クラがティーダをどんな風に思っているか、的な……
気付いたら、クラがティーダをたらしこんでるようなシーンとか入っちゃって
自分で書いたくせにびっくりしています(苦笑)
た…ただ、純粋なティーダファンの方には、
結構気に食わないことになっちゃってるかな…? とか…(大汗)
いや、もうそれは、1行目を見れば一発で意味がわかるかと;;
に…似てるなーと思っちゃったんです……(ごにょごにょ)
だって開発者様のインタビューでも似てるって言われてたし!!(汗)
ただ、ティーダは書いてて無性に楽しかったですvvv
わたしが書くカプって、受けは比較的、
妄信的に攻めにぞっこんなのが多いですね(苦笑)
かと思うと、攻めはスイッチ入るなり、ちょっと意地悪になったり…
受けでいうなら、慶半の半兵衛だったそんなとこあるし;;
ザックスですら、わざとらしく意地悪な質問したりするからな(笑)
さて、それでは、お読みくださる方は
どうぞ続きにお進みくださいませ!(礼)
こ、これから、今週アップできそうなもの探してきます!(駄)
「my Boy」
まるで、子犬のようだと思った。
「なぁ、クラウド」
「どうした」
じぃっと自分を見つめていたティーダが、ついに口を開いた。ついに、と言うからには、かなり長い間、ティーダはクラウドを見つめながら黙っていたわけで。
自分を見つめる青い瞳は、全力でキラキラと輝いている。期待に満ちたそのまなざしは、少年をとても幼く見せた。まぁ…惜しげもなく幼い表情を見せるのも、彼を好いている理由のひとつではあるけれど。ただ、こうも無邪気に見つめられると、どうも照れ臭くて堪らない。
顔には出さずにクラウドが照れていると、ティーダはキラキラと光り輝く笑顔を見せてこう言った。
「頭撫でてもいいッスか!?」
「はっ?」
飛び出してきた思わぬ言葉に、クラウドは無意識に声を上げた。
言った後で、かなり間抜けな声だったと気付いたが、出てしまったものは戻せない。それよりもクラウドは、ティーダの真意を探るほうに意識がいっていた。
なんの前触れもなく何事かと思えば、頭撫でさせてくれ、と来るとは。クラウドが何か成し遂げたところなら、まぁ分からなくもないだろうか。だが今は、暫く敵の気配がないからと取った休憩で、久しぶりにふたりになっただけの話。撫でるというからには、子供によくやる「よしよし」というやつだろう。しかしなぜ。ティーダが、俺に? しかも、今?
意味が分からずきょとんとして、クラウドは呆気に取られてしまった。すると、ティーダは何を感じたか、みるみる元気をなくしてしまう。笑顔の輝きはすっかり消え失せ、しゅんと音が聞こえそうな程に気落ちしてしまった。そして俯きがちなまま、視線だけでクラウドを見つめてくる。
「……駄目ッスか?」
「いや、別に構わないが…」
「やった!! マジッスか!!」
途端に再び輝く顔。本当にコロコロとよく変わる。喜怒哀楽がはっきりしていて、素直で、無邪気で、可愛らしい。自分にはない彼のそんなところが、クラウドはとても好きだった。ちょっと意図が読めないことはあっても。
じゃ早速、と言いながら、ティーダはクラウドの頭にそっと手を伸ばす。そんな恐る恐るせずとも、思い切り良くやれば良いのに。なんだか恥ずかしいじゃないか。どんなに思っても口には出さず、クラウドは大人しく待っている。これではどちらが子供やら。
ティーダの指先が髪に触れ、それから指と髪が絡み合う。てっきり撫でられるものと思っていたクラウドは、ティーダが自分の髪をくしゃくしゃと混ぜているのに気付いた。
「うわ~っ、やっぱクラウドの髪って柔らかいッスね!」
「…そうか」
「うん! 思ってた通りッス! 気持ちいいなぁ~っ」
撫でるって言ってたじゃないか、という言葉は一旦飲み込んで、クラウドはじっとティーダを見る。遠慮がなくなったのか、両手で軽くクラウドの髪を弄っている彼の瞳は、再びキラキラと輝いていた。
フリオニールがよく、ティーダを「子供みたいだ」と言う。むくれるティーダに対し、「いい意味で、だよ」と優しく告げるセシルとて、そう思っていることだろう。でなければ、有り得ない言葉だと思う。
しかしクラウドは、ふたりとは少し違う印象を持っている。
ティーダは子供みたいなのではなく、子犬みたいなのだ。
期待に満ちて輝く瞳、無邪気で素直で陽気な言動。いつも元気に動き回っているのも、クラウドにそう思わせる一因だろう。クラウドに遠慮なく飛び付いてくる様は、正しく子犬のそれだと思う。いっそ、千切れんばかりに振られている尻尾すら見えそうなほどだ。
恋人を犬にたとえるのは如何なものかと思いつつ、子犬なら可愛いから許すだろう、と言い訳して。クラウドは、やはりそんなティーダが可愛くて好きで堪らないのだ。
目の前でキラキラ輝く瞳を、クラウドはじっと見つめていた。
「いいッスね~。ホンット柔らかくって、猫の毛みたいッス!」
「俺は猫か」
ティーダの言葉に苦笑して、それでも嫌な気持ちは起こらず。クラウドが微笑を見せたせいか、ティーダはますます嬉しそうに口を開く。
「オレ、クラウドの髪、羨ましいッス! 散々染めてたら、すっかり髪傷んじゃったんスよ」
「それは勿体ないことをしたな」
「でも、やっぱり、クラウドみたいな金髪って憧れるッス! しかもふわふわ」
「そうか」
少し気を良くしたクラウドは、徐に自らの手を伸ばした。そして、きょとんとしたティーダの髪に触れる。
傷んで細くなったとはいえ、しっかりしている彼の髪。結構ボリュームがあって、クラウドの手を覆い隠した。
「お前の髪は、犬の毛に似てる気がする」
「えぇっ?」
ぽつりと漏らした言葉に、ティーダがますます目を丸くした。
そんな彼に構わず、クラウドは優しく微笑む。きょとんとしていたティーダの顔がだんだんと赤くなってきて、仕舞いに彼はもごもごと口を動かした。
「~っ、クラウド、あ、あんま、見つめないで欲しいッス……」
「ティーダだって、俺を見つめたろ」
「う~っ、でもっ、オレが見つめてたって、そんなドキドキしないはずッス!! クラウド美人だから、オレ…っ」
「馬鹿を言うな。俺だってさっき、お前に見つめられてどれほど緊張したか」
「え、」
うろたえるティーダの髪に手をかけたまま、クラウドはゆっくりと顔を近づける。ティーダのキラキラした瞳が近づき、そこにクラウドの瞳が映って見えた。ティーダの、深い海のような青い瞳に、クラウドの空色の瞳が映っている。
「ちょ、ちょっと、か、顔近っ……く、クラウド…っ」
「こうしたほうが、お前の目がよく見える」
「目、目なんか、なんでっ……」
「キラキラしていて、きれいだ」
「ちょ、ちょっと、待っ…!」
「待たない」
あわてて抵抗したティーダを、ぎゅっと抑えて。羞恥に揺れる瞳を見つめられるよう、クラウドは薄く目を開いたまま、ティーダの唇に自らのそれを寄せ……
「お~い、クラウド! ティーダ~!!」
呑気な声に気を削がれ、唇の代わりに額をぶつけ合った。
「…………」
「ここにいたのか! そろそろ出発す、る……」
声の主は近くまでやってくると、意味深なポーズのまま固まっているクラウドたちを見て、自分まで固まったようだ。そのまま空気までもが固まる。
ぱちぱちと瞬くティーダの瞳だけが、固まった空気の中で動いていた。
「…………じゃ、邪魔した、な……」
どれくらい経った頃か、フリオニールが口ごもりながらにそう言って立ち去ろうとした瞬間、大仰なしぐさをしながらティーダが立ち上がる。
「じゃ、邪魔じゃないッス!! もう行く時間ッスね!! そうッスよね!!」
「い、いやぁ、なんなら、もうちょっと休憩してても…」
「へーきッス、今すぐ出発して問題なし!! よーし、張り切って行くッスよ~!!」
「お、おい、ティーダ!」
…逃げられた。
耳まで赤くしながら走り去るティーダの背中を見ながら、クラウドは悟られぬように微笑した。
「…その、クラウド。悪かった、な…」
「いや、いい」
おずおずと声をかけてくるフリオニールの言葉に立ち上がり、セシルと話しているティーダを遠目に見つめる。顔が赤いと指摘され、ティーダは聞かれてもいないのに、なんでもないッス!! と全力で騒いでいた。かと思うと、気を遣ったセシルが話題をこれから先の戦いに変えるなり、彼は目をキラキラさせて意気込み始める。こんなに離れていても声が聞こえて様子が見えるのは、ソルジャーもどきの体ならでは。隣でフリオニールがクエスチョンマークを浮かべて自分を見ているとも気付かずに、クラウドは愛しい恋人を見つめ、僅かに苦笑した。
俺は、よほど子犬に弱いらしい。
「クラウド、どうかしたのか?」
「さあな」
フリオニールの言葉を受け流し、クラウドは歩き出す。距離が縮まるとティーダが気付き、キスされかけたのも忘れたかのように、満面の笑みでクラウドに大きく手を振ってきた。
「クラウド~っ!! 早く行くッスよ!!」
「ああ、すぐ行く」
無邪気な子犬を追いかけるのも大変だな、とか、勝手なことを思いつつ。そんな彼を選んだのは自分なのだと、そう思えば妙に気持ちは浮かれてきて。
どこまででもついていってやる。そして守り抜いてやるのだと。クラウドは、背中のバスターソードに手を伸ばしながら、胸の奥深いところ、彼以外には知りえぬところで、ひとり固く誓った。
fin.
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。
09/02/19 ブログ始動