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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.11.22
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2009.05.16
おはようございます、黎です。
気づいたら、5月前半って、13日まで毎日何かしらは
更新してたんですね(笑)
あれは狙ったわけではないです、たまたまです。

なんか今週は、気付いたら短編を4本も書いてました。
やー、すごいなぁ。
因みに内訳は、

ザックラ ×3
半幸   ×1

偏りすぎにも程がある(笑)


でもでも、久しぶりに半幸が書けたのは自分で嬉しくて! 
最近、半幸同盟から来てくださってる方がいらっしゃるみたいで、
新作書きたい波がどどどーっと来てたんです~!! 


そんなわけで、本日は久々に半幸SSをアップいたしますvv
相変わらずの竹中さん視点、
そして相変わらずの現パロ設定でございます;

やー、分かっちゃいましたけど、うちのカップルってホント
バカップル揃いですよねー(笑)
そういうのが好きだから当然っちゃ当然ですけど。
あ、松竹は別です。あれは特殊系。
他所様で見かけるセフィ→クラに似たものを感じることあり(笑)

因みに今回、珍しく幸村が大学生設定です。
といっても、まだ入学したての1年生なので、
高校生の延長線というか、
まぁ…レポート提出でバタバタしてるくらいで(苦笑)
半兵衛は社会人設定です。
このふたりは歳の差カップルが好きなのでvv
半兵衛が大学生の頃に幸が高校受験してたとか、
現パロ半幸はいっつもそんなイメージです。

因みに…これを書いたきっかけは、
給料振込み用にしている口座のカードの暗証番号を間違え、
カードが使えなくなってしまった、という
我ながらアホなことをしたことであります…orz

ちょっと半兵衛さんタチ悪すぎな気がしますが、
彼自身はまぁ惚気てるだけ…これもいつもどおりだな;
そ、そんな「いつものパターン」だらけな小話ですが、
楽しんでいただければ幸いでございます;;;


それでは、お読みくださる方は、
どうぞ続きへとお進みくださいませ! 


拍手を送信してくださった方、ありがとうございました!! 
コメントへのお返事は、次の記事に書かせていただきます! 








「所詮バカップル。」


  半兵衛は今、久しぶりに母校の図書館に来ていた。何年も前に卒業した大学、当時から彼はこの空間が好きだった。あまり人の来ない地下2階、そこには古い本が山積みで、独特の紙のにおいが自分を包み込む。それは彼の至福の時であり、宝の山と向き合うのに夢中になってうっかりチャイムを聞き逃し、欠席が溜まって落とした単位がいくつかある程だ。
  そしてこの春、可愛い恋人が我が母校に入学したということで、久しぶりに母校を覗きに来たのだが。彼はついでだと自らに言い訳しながら、こうして図書館に寄っている。卒業生は自由に出入りが出来ることを、こんなに幸せだと感じたことはなかった。どうせ明日は日曜日、今日はここでたっぷり幸せに浸ろうか。ついでに恋人を捕まえられたら、文句はない。まぁ、望み薄ではあるけれど。
  半兵衛は1冊の本を手に取ると、我知らず微笑んだ。卒業論文のために酷使した本。大量のコピーを行方不明にしてしまったことを思い出す。記念じゃないが、少しコピーを取っていこう。彼は数年前に思いを馳せながら、殆ど使われていないこの階のコピー機へと足を向けた。
  ここのコピー機は、殆ど使われないため、いつも電源が切られたままになっている。久しぶりに電源を入れるな、と微笑してから、彼は既に電源が入っているらしいと遠目に気付いた。珍しい、誰かが使っていたのだろうか。
  自分のような趣味の人がいるのかもしれない。なんだか嬉しくて頬を緩ませ、コピー機の前に立つ。そして、その脇の机に置き去りにされている物に気付き、絶句した。
  そこにあったのは銀行のカード。記載された名前は「サナダ ユキムラ」……
  半兵衛はそれを手にして苦笑した。よりによって、なんでこんな物をこんなところに忘れるのか。図書館に入る前に見掛けた、図書館から全力ダッシュでどこかに駆けていく幸村を思い出し、そういえば大量の紙を抱えていた、と微笑する。1年生は意外とレポートが多い。資料をコピーしているうちに、始業のチャイムが鳴ってしまったのだろうか。いずれにせよ、見つけたのが自分で良かった。変な奴が見つけて悪用する前に見つけられて良かった。
(まったく、あの子は、どうも気が抜けているというか…)
  そんなところも可愛いけれど、と惚気ながら、なんともなしにカードを裏返す。
 そして、彼は再び絶句した。

 

             *          *         *

 

「竹中殿っ、まっこと、ありがとうございましたッ!!」
  幸村はカードを手に、机に頭が着くのではという程、深々と頭を下げた。
 結局、半兵衛はあの後すぐにメールを送り、幸村の授業が終わった後で落ち合うことにしたのだった。幸村とて、忘れたことに気付いたら、相当焦ったことだろう。実際、幸村が待ち合わせた食堂に現れたとき、彼は半兵衛に会えたからだけではなさそうな安堵の表情を浮かべていた。
 午前のみの授業ののち、ざわつく食堂で昼食を摂りながら、半兵衛は幸村を優しい目で見つめている。ちょっとだけ悪戯な色を奥に秘めた瞳で。
「次からはよく気をつけたまえ。こうも都合のいいことは、そうは起こらないからね」
「はいっ、この幸村、しかと心得ます! 以後、二度とこのような失態は犯しませぬ!」
「うん」
  大真面目に答える幸村に対し、半兵衛はくすくすと笑っていた。さすがに不思議に思ったのだろう、幸村はきょとんとして問うてくる。
「竹中殿? どうかされましたか」
「なぜ?」
「いえ、何やら楽しそうにしておられるものですから…」
「ふふっ。幸村君、よりによって僕がそれを見つけてしまったというのに、君は何も怪しまないんだね」
「はっ??」
  幸村の大きな目が、更に大きく見開かれた。半兵衛は少しにやりとして、意地悪く幸村に告げる。さて、どんな可愛い反応を見せてくれるやら。
「カードの裏に暗証番号なんか書くものじゃない」
「えっ!? そ、それがし、暗証番号など書いては…!」
「僕にしてみれば充分すぎる情報だよ」
  確かに書かれていたのは番号ではなかった。にも関わらず、恥ずかしかったのか幸村は頬を赤く染めている。半兵衛の言葉の続きなど、全く予想だにせずに。
  半兵衛は楽しくて仕方ないという満面の笑みで、にっこりと幸村に告げた。
「実はこのところ、やり繰りに困っていてね。とても助かったよ」
「はっ??」
「安心したまえ、借りた金は必ず返す」
「た、竹中殿ッ!?」
  ようやく意味を理解して、幸村が全力で立ち上げる。そんな彼に、半兵衛は畳み掛けるように笑顔で言った。
「僕の誕生日を暗証番号にした君が悪い」
  幸村はますます赤くなりながら、がくりと肩を落としていた。
  勿論、勝手に金を引き出したというのは嘘だ。しかしその嘘も、暗証番号が半兵衛が言ったとおりでなければ、簡単に嘘とわかるもの。つまり本当に、幸村は半兵衛の誕生日を暗証番号にしているのだ。
  カードの裏に、細いマジックで書かれていたのは、幸村らしい元気な字で「竹中殿」とひと言だけ。
  可愛いことをする恋人を、残念ながら半兵衛は、苛めてやりたくなってしまったという訳だ。
「嘘だよ、幸村君」
「え…」
  幸村が困惑したように瞳を揺らす。さすがにタチが悪すぎたな、と反省しながら、半兵衛は微笑混じりに告げた。
「僕はカードを見つけてすぐに君にメールしたんだ。銀行に行く暇などなかっただろう?」
「あっ…。だ、騙されましたな、竹中殿ッ!!」
「バカップル丸出しなことをする君が悪い」
「そ、それがしは悪くありませぬッ! い、いえ、あんなところに忘れてしまったのは、確かにそれがしの咎なれど…っ」
「ほら、君が悪いんじゃないか」
「嘘を吐かれた竹中殿も酷うございますッ!!」
「ああ、それは悪かった。謝るよ」
  真っ赤になって意地を張る幸村の、なんと可愛いこと。こうして惚気る自分も、充分にバカップル丸出しなのだと自覚しながら、半兵衛はむくれて着席した幸村の頭を撫でてやる。途端にぴくんと反応する体。
  そうやって僕を喜ばせるから、意地悪をされるというのに。まったく、本当に可愛くて仕方がない。
  レポートを手伝うついでに夕飯を奢ると言えば、困った顔で喜ぶ恋人に、半兵衛はますます頬を緩ませた。


                                             幕

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文字書きで絵描き。
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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