すいーと・すいーと
黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
おはようございます、黎です。
昨日夜更かししたのは、新たに購入したFF7の
解体新書なるものを読み耽っていたからです(駄)
眠い眠い…
えー。昨日から、どれをアップしようか
悩んでいる訳なんですけれども。
ふと過去の記事を見直していたら、結構
「こんなん今書いてますー」と言ったまま、
アップもせずに放置してるのがいくつかありまして;
ちょっと眠い頭が働かないので、リストアップなんぞ…
アップすると言ってたやつ
・松竹甘あま
書きたいと言ってたやつ
・セフィ→クラ(ザックラ前提)
・セフィクジャ
・ミコ→クジャ
・1stトリオ
お…? こんなもん…か、な?(曖昧)
あとは、告知とかしてませんけど、
地味にザックラが溜まってる気がしなくもない…
じゃあ…アップすると言ってた松竹と、
他にこの中で書き終わってるのはセフィ→クラですな。
じゃあ、捏造週間以来、戦BAが続いていますので、
とりあえず今日はセフィ→クラをアップします。(適当だな;
今週中に、松竹とザックラもアップすることにします。
あと、地味に最近アップしてなかった慶半から1本、
これは…前に書いた、シリアスというか
病んでるネタを持ってこようかと…
まぁ…別に、病んでないネタも残ってはいるんですが、
いずれにせよ誰かが死んでるような話ばかり残ってるし、
だったらある意味とても私らしい文体のあれにするか的な…;;
そうじゃなくて新作書けよって感じですけれども(死)
えー、では、本日アップするセフィ→クラです。
友人の雨宮に、確かいきなり「セフィクラ書いてくれ」と頼み、
その後自分ではセフィ→クラを書き始めていた、という。
上記の通り、ザックラ前提です。
時期的には神羅時代、CCの頃です。いつもザックラで書いている。
今までにザックラで登場していた
我が家のセフィロスをご覧になってる方はご存じの通り、
ニブル事件以前の我が家のセフィロスは、不器用な天然さんです。
そんな彼が、ザックスの恋人であるクラウドと過ごすひと時。
これまでに書いていたものの延長線上と考えていただいて、
まったく問題ありません。今までどおりの我が家のセフィです。
あと、今回、多少オリジナルキャラクターの存在を匂わせています。
というか…あれは、ちょっと出てます、と言ったほうが正しいのか?
台詞はなかったと思いますが。
前にもちょっと出てきた、クラウドの元ルームメイトのひとりです。
よそ様でお見かけするセフィロスは、
英雄時代だろうがなんだろうがお構いなしに
クラウドにちょっかい出しまくる変人さんになっているところが
すっごい多いですよね(笑)
意外と、CCの天然さんな雰囲気で書かれてる方って少ない。
あ、そういえば、何かでちょっと見たんですけれども、
クラウドのもともとの瞳の色って、
青みがかった緑色、という設定があるそうですね!!
つまり漢字一文字では碧色。
公式ですら反映されてなかったりするそうですが
(実際、CCの略本では「青」表記になっていた)
この色大好きで萌えたので、それを知ってからの私は
クラの瞳を碧色表記にしています。
セフィロスの瞳は翠表記。
知り合いは鼻で笑うといいさ!!(爆笑)
さて、前置きはこのあたりにしておいて…;
ザックラ前提の話なので、
この記事はザックラカテゴリに入れておきます。
それでは、お読みくださる方、どうぞ続きにお進みくださいませ!
「the First...」
辺りは異様な雰囲気に包まれている。誰もがチラチラと視線を投げては顔を見合わせ、立ち止まる者、そそくさと立ち去る者など、反応は様々だった。意に介していないのは、注目を浴びている張本人のみである。
ゆうに2メートルはあるのではと思しき長身に、腰まで伸びた美しい銀髪。長い睫毛に縁取られた瞳は翠色で、他のソルジャーのそれとは異なっている。鞘に納めた超刀は彼の背丈すらも超え、背中からはとてつもない存在感が漂っていた。英雄との呼称は伊達ではない。彼を知らない者など、この世にそうはいないだろう。彼はそういう男だった。
結論から言えば、彼はこうして人から見られまくることに慣れていた。当たり前のことで何も思わず、じっと1点を見つめ続ける。翠の瞳に映るのは、一般兵の訓練だ。やがて訓練が終わったらしく、一度整列した兵士たちが、どこかぎこちなくバラけていった。勿論、兵士たちも、窓から様子を見ている彼の存在に気付いていたのだ。
「クラウド」
彼は目的の人物を見つけると、人目も憚らずに声をかけた。
緊張のあまり、震え上がる細身の体。男とはまた違う碧色の瞳が彼を見つめ、白い頬はすっかり紅潮し。
「は、はいっ!」
意外と柔らかいハニーブロンドを揺らしながら、ますます緊張して次を待っている。
緊張しているのは、一帯にいる全ての人だ。恐らく彼は初めから、この少年兵以外に用などなかったのだろう。訓練中に割り込む権利すらある彼がそれもせず、ただひたすら待っていたのだ。それも、1時間以上もそこから動かずに。あの少年兵はなんなんだ、一体何をしでかしたんだ。無言の圧力が少年にかかる。静まり返ったロビーにいつ彼の声が響くのか、誰もが緊張して見守る中、ついに長身の男が、ゆっくりと唇を開いた。
「一緒に飯を食おう」
* * *
クラウドと共に来た食堂で、セフィロスはちょっと凹んでいた。
あれは一体なんだったんだ。ただクラウドの訓練が終わるのを待ち、食事に誘っただけではないか。クラウドが目を点にしたのは仕方がない、約束も何もしていなかったのだから。だがあのギャラリーどもは別だ。それまではすっかり静まり返っていたくせに、クラウドを誘った瞬間に起こったあのどよめき。お陰でクラウドが萎縮してしまった。俺が誰かを食事に誘うのがそんなにおかしいか。
普段は絶対に来ることのない、一般兵用の食堂。ここに入るときには物凄いざわめきが起こった。これならいい、いいが、先ほどのどよめきを思い出して、セフィロスは少し気分を害している。
「……あの、セフィロスさん…」
「どうした」
安い定食を黙々と口に運んでいたクラウドが、上目遣いにおずおずと話しかけてくる。セフィロスは「らーめん」なる麺類を食べる手を止め、翠の瞳で見つめ返した。
「その…、俺に、何か用ですか?」
「いや、お前と昼飯を食おうと思っただけだ」
「そう、ですか」
ぽつぽつと答えながら、クラウドは食事を再開する。細い体は縮こまり、セフィロスはなんだか申し訳ない気がしてきた。
「クラウド、もっとリラックスしろ。俺と一緒なのが緊張するのなら、俺をザックスだと思えばいい」
「む、無理です!」
なぜか全力で否定され、セフィロスは内心傷ついた。
「…そうか」
確かに自分には、あの子犬のような明るさも社交性も、お喋りな口もない。同じ1stとはいえ無理か…。クラウドはザックスと恋仲だから、てっきり1stには慣れていると思っていたのだが。
顔には出さぬまま再びらーめんを啜る。初めて見た食べ物は濃い味で、薄味を好むセフィロスにはしつこい味だった。クラウドのあっさりとした定食が、少し羨ましい。
が、ここで凹んでいる訳にもいかない。早々にらーめんを食べ終えると、セフィロスはクラウドを待った。それに気付いて慌ててスピードを早めたクラウドをなだめ、申し訳なさそうな少年を見つめ続ける。柔らかい金髪、それに触れてみたいと思った。
やがてクラウドの食事も終わり、クラウドは深々と頭を下げる。
「ご馳走さまでした、セフィロスさん。しかも奢ってもらっちゃって…」
「気にするな。クラウド、午後の予定はどうなっている」
「本社の見回りです」
「そうか」
見回りは基本、ひとりずつ。なるほど、とセフィロスはひとり了解した。捕まえるには絶好のチャンスだろう。
「では俺も一緒に見回りをしよう」
「へっ――」
クラウドのみならず、辺り一帯が静まり返った。
今日はやけに静かになる日だなと、セフィロスは内心ひとりごちた。
* * *
結局、本当にクラウドと共に社内の見回りをしたセフィロスは、そのままクラウドを自室へと誘った。いつものように夕飯はシェフに部屋まで運ばせることにして、先にクラウドに風呂を貸す。遠慮していたクラウドだったが、そのうちに根負けして、今はクラウドが風呂を上がるのを待っている。
それにしても、と思う。俺はそんなに普通の言動が似合わないのだろうか。訓練が終わる頃を見計らって声をかけ、食事に誘う。ザックスはいつもそうすると言っていた。確かに、訓練が終わるまで1時間以上も待っていたのは、少しやりすぎだったのかも知れない。だが、それだけであんなに騒がれるものなのか。
そんなセフィロスから「俺は普通ではないのか」といきなり問われたシェフが、汗だくになりながら多いに戸惑ったことは言うまでもなかった。
「あの、セフィロスさ…!?」
「どうした」
セフィロスの着替えを借りて顔を覗かせたクラウドが、目を見開いて固まっている。クラウドにまでこんな態度を取られるとは、やはり俺は普通ではないのだろうか。セフィロスは、再び内心凹んでいた。
もっとも、クラウドが絶句したのは、テーブルに広がる豪華なディナーに目を奪われたからであり、セフィロスがどうこうという訳ではない。確かにセフィロスは、豪勢な日常を過ごしているところがあり、その分周りと感覚がずれていることは否めなかった。セフィロスが凹んでいる傍ら、一日中セフィロスに――憧れの英雄様に構われ続けたクラウドは、緊張の余り「助けてザックス」と内心泣き言を零していた。
セフィロスは風呂を後にして、ディナーを食べながら、ふとクラウドに告げる。
「今日は、無理を言って悪かった」
「いっいえっ、そんな…!!」
セフィロスは、クラウドが泣きそうなほど緊張している理由を、実はさほど察していない。彼はいつもと同じ淡々とした調子で、唐突に告げる。
「ザックスが遠征に行っている間、寂しいのではないかと思ってな」
「えっ…」
「余計なことだったなら謝ろう」
「そっそんな!」
慌ててクラウドが立ち上がる。緊張で少し青かった頬が、ザックスの名を聞いた途端、桃色に染まっていた。
「あ…ありがとうございます…。俺なんかのこと、気遣ってもらって…」
申し訳なさそうに視線を泳がせ、ハニーブロンドが揺れる。それが微笑ましくて、セフィロスは穏やかに微笑んだ。
実は今言ったことは、事実とは少し異なる。セフィロスはザックスから、彼が遠征に行っている間、クラウドを守ってやって欲しい、と頼まれたのである。
クラウドのような中性的な少年兵は、男所帯である軍の中で、欲求不満な兵士たちの餌食になりやすい。実際、これまでにも、大勢の少年兵が理不尽な目に遭わされてきたことを、セフィロスも散々聞いている。クラウドがその手の酷い目に遭ってこなかった方が不思議なくらいだ。どうやらクラウドは、本人も知らないところで、寮の元ルームメイトに守られていたらしい。
その元ルームメイトがザックスに持ってきた話が、次にザックスが遠征に行っている間に、彼自身も任務で外に出るためクラウドを守る者がいなくなり、そこを狙う輩がいる、というものだった。さすがに、いくら過保護なザックスでも、初めは親友にクラウドの様子を見ていて欲しいと頼んだようだが、その親友もまた遠征に出るという。よからぬ妄想――現実になり得るそれに取り付かれたのか、ザックスはセフィロスに土下座をしに来た。後で必ず借りは返す、クラウドを守って欲しい、と。
そんなザックスも、まさかセフィロスが命令拒否をしてまでクラウドのそばにいようとは、思ってもみなかっただろう。セフィロスが堂々とクラウドに付き纏い、彼を気にかけていると知って尚、クラウドを襲おうとする勇気が相手にあるのか。一日中正宗を手放さない彼を見ていれば、十中八九その気は削がれるだろ
う、とセフィロスは踏んでいた。…他の人々の反応は、彼を少し傷つけるものだったけれど。
そうとも知らず、クラウドは恐縮したまま食事を再開した。揺れるハニーブロンド、遠慮がちにフォークを口に運ぶ仕種、それらひとつひとつが可愛らしい。ザックスが惚気まくるのも道理だ。セフィロスは翠の瞳を細め、クラウドをいとおしく見つめる。
「遠慮せず、もっと食べるといい」
「…でも、俺…」
「嫌いなものでもあったか」
ふるふると頭を振ると、柔らかな髪がまた揺れた。碧い瞳がセフィロスを見上げ、そしてすぐに俯いてしまう。
「……こんな、豪華な食事、生まれて初めてで…」
桃色に染まった頬がまた愛らしい。セフィロスはくすりと微笑み、優しい声音で語りかける。
「では、ますます遠慮をする理由はない。気に入ったのなら、いつでも食べに来ればいいさ」
「そ、そんなっ! 恐れ多いっ…」
「ならば、ザックスに言っておこう」
「そんなっ」
ザックスなら遠慮なく来るだろう、クラウドを連れて。クラウドに優しい微笑みを向けながら、俺は馬鹿だな、とひとり思う。
クラウドの笑顔を、もっと見たい。たとえそれが、自分のための笑顔でなくとも。
誰かにこんな思慕を抱くのは、生まれて初めてのことだった。
「お前が食べようとしないなら、食べさせようか」
「へっ…」
「口を開けろ、クラウド」
スプーンにオニオンスープを取り、どっかの誰かさんを真似する。するとクラウドは、ぼっと耳まで赤くなった。いいです、自分で食べます! と照れまくった様子が可愛らしい。笑うセフィロスに見つめられながら食事を再開し、しっかりと味を噛み締めているクラウドに、セフィロスは懲りずに話しかけた。
「美味いか、クラウド」
するとクラウドは手を止めて、俯きがちなまま、しかしはっきりとした声で答える。
「…とっても、美味しい…です」
そう言った少年は、嬉しそうに、くすぐったそうに微笑んでいて。
お前が笑っているのなら、俺は何もいらないんだ。そう、お前自身でさえも。
僅かな時間を惜しむかのように、優しい翠の瞳がじっとクラウドを見つめていた。
fin.
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。
09/02/19 ブログ始動