すいーと・すいーと
黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
今日もバイトなので、予約更新でございます。
今日がラストイン…頑張ってきます!
今日もザックラ更新でございます。
ようやくあの話に一区切りつきました…(苦笑)
この間、薫との旅行の帰りに、
お互いにリクエストの出し合いっこをしていたときのこと。
「お天気トリオで、仔猫を拾った話」というリクを受けた私が
ふと思いついていきなりケータイに打ち込んだのがこちら↓
C:……なんだそれは
S:拾った犬だ
C:アンタ、そいつをなんて呼んだ…?
S:クラウドだ。お前の名をもらった。嬉しいだろう
C:ふざけるな
S:ほう、お前は喜ぶだろうと思っていたのだがな。
このように美しい毛並みのメス犬、そうはいないぞ
C:しかもメスなのか!
S:そうだ。何よりザックスが大層気に入っている
C:!!!
S:あの美しい黒毛の犬が、クラウドに子を孕ませる日は
そう遠くないだろう
C:かっ、勝手に俺たちの名前をつけるなッ!!
S:フフ、相変わらず素直ではないな
セフィロスにやり、みたいな(笑)
一体いつの話だ、とか突っ込まないでください(汗)
DFFっぽい感じですよ、多分…;
でもクラは、犬っていうか猫ですよね。
いいんですよ仔犬の嫁ですから←
ところで、これを書いたあとで、
ちょっと思いついた小話がありまして。
それを続きに置いておこうと思います。
例によって神羅時代、セフィとザックスの話です。
私は惚気てるのを書くのが好きだなぁとしみじみ感じました(笑)
それでは、お読みくださる方は、
ザックスに迎えられてくださいませv
「仔犬とセフィロス」
呼ばれて入った部屋は、同じ1stのものとは思えないほどに豪華で、ザックスは思わずどきどきしてしまう。部屋の主は、静かにドアを閉めて鍵をかけた。至極静かな部屋に響き渡る、鍵のかかる音。
「…それで? 俺に話ってなに?」
少し落ち着かないまま、ザックスはセフィロスに問うた。それに応じる低い声は凛として。
「たいしたことではない」
「ふぅ~ん? わざわざ部屋に呼び出しておいて、たいしたことじゃないんだ~」
緊張をほぐすためなのか、わざとらしく言ったザックスの言葉に、セフィロスは特に反応を寄越さない。が、だからといってこれは、彼がまったくの余裕状態を示しているのかと問われれば。
――突如響き渡った仔犬の鳴き声が、それを否定した。
「…………はぁ~?」
あまりにもミスマッチなそれに、思わずザックスがひっくり返った声を出す。声の主を探せば、それはセフィロスの足元に擦り寄っているではないか。まだ本当に小さな小さな、可愛らしい仔犬がそこにいた。
「……こういうことだ」
そう呟いたセフィロスの表情を見る限り、どうやらこの仔犬は、セフィロスの意思でここにいるというわけではなさそうだった。よしよしと仔犬を撫でてやりつつも、その手は明らかに困っていて、しゃがむなり胸に飛びつかれれば落とさないようにと慌てる始末だ。仔犬が懐いているのは明らかだが、一体どういうことなのだろう。小さな黒い塊は、セフィロスの胸の中に抱きとめられ、すっかり上機嫌だった。
「こういうことって、どういうことだよ」
「……捨て犬だ。なぜか懐かれてしまって、連れて帰らざるを得なくなった」
「あー、なるほどね」
確かに、セフィロスが誰かから飼い犬を預かったりとか、生まれた仔犬をもらうとか、そういうイメージは皆無だ。何せセフィロスの唯一の友と呼ばれたふたりは、今は神羅にはいないのだから。アンジールがいなくなってしまいザックスと話すことが増えてからも、セフィロスが他の誰かと一緒にいるという図は、統括であるラザード以外にはほぼ見ない。たまにクラウドがセフィロスに声をかけられて、緊張のあまり汗だくになっているくらいだった。
そうとわかれば話の内容も容易に想像がつく。飼うつもりであれば「どうすればいいと思う」、そうでなければ「引き取ってもらえないか」のどちらかだろう。ザックスが呼ばれたのは、単に他に相談できる相手がいないからだ。なんだか気の毒な奴。
「それで? こいつをどうするつもりなんだ?」
「飼ってやろうかと思っている。…またあんな声で鳴かれたのでは、とてもやりきれない」
きっとセフィロスが立ち去ろうとするなり、悲しい声でクゥンと鳴かれたのだろう。不器用なために誤解されがちだが、セフィロスは根が優しい。今も慣れないながら、甘えてくる子犬を優しく撫でてやっているではないか。きっと、セフィロスにとってもいいように運ぶ気がした。ザックスは満面の笑みでセフィロスを見やる。
「へへっ、それなら協力してやるぜ! セフィロスが任務で暫くいなくなったりしたときは、俺がそいつの面倒見てやる!」
「そうか。助かる」
「いいって、友達だろ!」
ザックスが笑って言うと、セフィロスがふっと笑った。ひとりでいることが多いこの男が実は寂しがり屋なのだと、そう気付いたのはもう随分前のことだ。ザックスが勝手に友達呼ばわりしても、今のように笑って受け流すだけ。動物でもなんでも、同居する相手ができるのならば良かったではないか。
「ところで、そいつ、なんて名前にするんだ?」
「…それを悩んでいる」
セフィロスが言うには、飼うと決めたからには餌とか躾とかは頑張ろう、と思えたので、もしアドバイスがあればそれを聞きたかったというのと、名前の相談にのって欲しかった、という2点のために、ザックスを呼び出したらしい。電話で済ませられなかったのか、と思いつつ、ザックスはちょっと首を捻った。
「あのさ、まさか俺が『仔犬』って呼ばれてたからって、俺に聞くことにしたとか言わないよな?」
「…そういうわけではない」
「今の間はなんだよ…」
そんな理由で呼ばれたとしたら、ちょっと本気で凹む。
が、どうやら間が空いたのは、別の理由によるものらしい。ソファに腰掛けて仔犬の頭を撫でながら、セフィロスはどこか遠慮がちに聞いてきた。
「…こいつに、お前の名前をもらえないかと思ってな」
「はぁ?」
「こいつを見ていて、お前の顔が頭に浮かんだのは事実なんだ」
言われて改めて仔犬を見る。まだ小さいくせに艶やかな黒毛は、確かにザックスの髪と似ているように思う。それに、透き通る空色の瞳は、ソルジャーの魔晄の瞳とよく似ている。それで人懐っこいからとザックスを思い浮かべられれば、まぁ確かに納得できるだろうか。
「そうしたら、他の名前が思いつかなくなってしまった」
「ははは…。そりゃどーも」
「もちろん、お前が不快に思うのならやめるさ」
「別に嫌じゃないけどさ」
セフィロスの飼い犬の名前がザックスだと人に知られようものなら、セフィロスに憧れる数多の連中から、嫉妬のまなざしで見られることは間違いない。
「安心しろ、こいつはオスだ」
「ああ、だからいいって。俺みたいにいい男になるぜ、きっと」
「フッ、自分で言うのか」
たいした自信だ、とセフィロスが笑うと、セフィロスの気がザックスに向いたのが気に入らなかったのか、仔犬が小さく声を上げた。それでセフィロスが子犬の顔を覗き込むと、今度は上機嫌に鼻を鳴らしている。なんだかほんとに俺みてえ、と、ザックスは失笑してしまった。これじゃ、アンジールに仔犬だなんてニックネームをつけられたのも頷けてしまう。
暫くセフィロスが仔犬を可愛がっているのをじっと見ていたザックスだったが、ふと思いついて声を上げた。
「なぁ、やっぱり、ひとつだけ条件!」
「なんだ」
どうやら仔犬に癒されているらしいセフィロスに、ザックスは満面の笑みを浮かべる。セフィロスはやや首を傾げて待っていた。
「そいつがお嫁さんもらったら、お嫁さんにクラウドって名前付けてよ」
「……クッ」
セフィロスが思い切り噴き出す。そのまま珍しいことに、小さく声を出して笑われてしまった。
「なんだよ、それが嫌なら、そいつに俺の名前なんかつけさせないからな!」
「わかった、わかった。覚えておこう」
「覚えておこうじゃなくて、そうしろよ!」
噛み付くように言うザックスに、セフィロスはひたすら笑い続ける。きっと今頃、クラウドはくしゃみをしていることだろう。
いつまでも笑っているセフィロスの腕の中、ザックスと名付けられた子犬は、将来のお嫁さんの名前を決められてしまったことも知らずにきょとんとしていた。
おしまい。
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。
09/02/19 ブログ始動