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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.05.19
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2009.04.05
目が…目がっ…!! 
どうして私は他の人とちょっとずれた時期に
花粉症の症状が出るのだっ!!(泣)

えー、少々お久しぶりでございます;
まぁ、昨日ケータイから更新しましたが。
お、思った以上にパソコンに触れない…。
もういっそケータイサイトに移転するか…!!←

さて、私は無事に入社式を終え、
今は新入社員研修で喉をからしております。
えーと…何を言おうか大分ブレてしまいましたが、春ですね。
そんなわけで(?)、今日は春な慶半をアップいたします。
友垣時代、付き合い始めてちょっと経ったくらいですかね? 
因みに、捏造ねねも出てきますので、苦手な方はご注意ください。

この話は、慶半を書くようになってからまだ日の浅い頃に書きました。
なのでなにが変って、
まだキスひとつで慶次君がどもっているのです。
今のうちの慶次君ならありえない!!(爆笑)
因みにそうなった理由は、単に当時の私がBLに慣れておらず、
大分書いてて恥ずかしかったからでございます。
今はキスくらいどうってことないんですけどね。慣れですね。
むしろザックラとか、ソッコー18禁から入りましたからね(爆)
いえ、まだ書いたことはないですが…。

さて、今週は、予約機能を駆使して小話をアップできるようにします。
だって1週間放置とか、自分で悲しかったんですよ…。
毎日更新は無理になってしまったものの、
それでもできる限りマメに更新したいので! 

それでは、お読みくださる方は、どうぞ続きにお進みくださいませv






「さくらいろ」


  満開の桜。はらはらと花びらが舞い始めた桜並木を歩きながら、ねねがうっとりと息をもらす。
「やっぱり、何度来てもすてきね。私、ここの桜が一番好きよ」
「そうか」
  傍らのねねに答えながら秀吉も桜を見上げた。慶次はその後ろから、半兵衛と並んでふたりを追って歩いている。
「いつもは妹たちと見に来るの。でも、今年はどうしても秀吉たちと来たくって」
「そうか、嬉しいな」
「私ね、秀吉と初めて会ったとき、ここの桜を思い出したのよ。とても大きくて優しくて、包み込んでくれるようだから」
  ねねの告白に、秀吉が照れ臭そうに少し身じろぎしたのがわかった。それを見ながら慶次は、あいつ絶対言うぞ、と小さく半兵衛に耳打ちする。間もなく、今度は秀吉からねねに話を振った。
「俺もお前とここに来れて嬉しいぞ、ねね」
「本当? 良かった…」
「桜吹雪の中に立つお前は、いつも以上に美しい」
  今度はねねが赤面する番だ。そら見ろ、と慶次が喜んでいるとも知らず、秀吉とねねは見事にふたりの世界に突入する。その様子を見て、半兵衛も小さくくすくすと笑った。
「まったく、お互い照れるというのに、毎度毎度よく言うよね」
「いいじゃんか、幸せそうでさ」
  慶次は慶次で上機嫌だった。半兵衛に想いを告げて以来、花見に来るのは初めてのことだ。桜は心を晴れやかにしてくれる。最近、ようやく恋人といえるくらいに半兵衛が好いてくれていることを感じるようになった慶次は、秀吉たちと半ば別行動になっているお陰もあり、半兵衛と逢引をしているような気分になっていた。
「まぁ、ねねではないけれど、確かに見事な桜だよね。秀吉を見てここの桜を思い出す気持ちはわかるかな」
「そうだな~。俺は、桜吹雪ん中に立ってるねねがすげぇきれいだって言いたくなる秀吉の気持ち、よくわかるぜ」
「へぇ?」
  慶次の言葉に敏感に反応し、半兵衛が興味深そうに笑う。そしてすいと体の向きを変え、悪戯っぽく慶次に聞いた。
「じゃあ、僕が桜吹雪の中に立っているのを見て、どう思う?」
「え」
「言ってくれよ」
  楽しそうに言いながら、半兵衛は慶次の反応を待っている。彼が慶次を照れさせるのもいつものことだ。慶次は単純なので、つい半兵衛の期待通りに赤くなり、無意識に彼が望む言葉を口にしてしまう。最近の慶次と半兵衛の関係は、すっかりそういうものになっていた。
「そりゃ…………言わせるなよ、さっき言っただろ」
「君は秀吉の気持ちがわかると言っただけだろう? 僕は、君の気持ちが聞きたいな」
「照れさすなって」
「君がすぐに答えてくれるのなら、僕もすぐに黙るよ」
  自分たちもふたりの世界に突入しているということには気付かずにじゃれあいを続ける。そんなくだらないじゃれあいが、堪らないくらい恥ずかしく、また嬉しくて堪らない。このまま抱き締めてやろうかと思ったそのとき、不意に強い風が吹き、半兵衛が風にあおられた。
「うわ…っ」
「あぶねっ!」
  咄嗟に半兵衛の腕を掴むと、慶次はそのまま、彼を自分の腕の中に抱き留める。柔らかい白銀の髪が、慶次の鼻先をくすぐった。
「すまない、ありがとう」
「別にいいよ。大丈夫か?」
「ああ…」
  そう言って半兵衛が顔を上げたので、彼の藤色の瞳と目が合う。これだけの至近距離だと、さすがに少し照れ臭い。頬に朱が差したのが、自分でもわかった。
  ふと慶次は、薄い色をした半兵衛の唇に目を奪われた。
「あ」
「ん?」
「お前の唇って、きれーな桜色だな」
「そうかい?」
  半兵衛の唇が、鮮やかだが薄い色をしているということは前から知っていたが、改めて見てみると、濃いめの桜色にも思える。なんだか無性に嬉しくなり、慶次は笑った。
「何を笑っているんだい」
「ん、別に? お前の唇の色、きれーでいいな~って」
「そう? どうでもいいけど」
  慶次の腕の中に収まったまま半兵衛がおとなしくしてくれているのも嬉しくて、慶次は半兵衛の身体に回した腕に、きゅっと力を込める。再び強い風が吹き、桜の花びらが辺りを舞った。
「ひゃあ、すげぇ」
  顔に花びらがかかるが、慶次はそれでも半兵衛を抱く腕を解かなかった。ひとしきりの風が治まると、慶次は軽く首を振り、顔や髪についた花びらを払おうと試みる。
「あ~、参った参った。へへっ」
「あ」
「ん?」
  ちょうど先ほどとは逆に、半兵衛が慶次を見上げながら、小さな声を漏らした。気付いた慶次が半兵衛を見ると、半兵衛はあの悪戯っぽい微笑みを浮かべながら、慶次の顔に手を伸ばしてくる。
「君の唇も桜色になったね」
「へ?」
「動かないで」
  そう囁く半兵衛にどきりと胸を高鳴らせた直後、半兵衛の指が慶次の唇に触れた。間もなく指が離れ、半兵衛はその指を慶次に見せる。
「ほら、桜の花びら。君の唇についていた」
「あ、それで桜色?」
  今の風で舞った花びらのひとつだったのだろう、他に比べてやや濃い色をした花びらが、半兵衛の指先に張り付いていた。それを慶次に見せた後、半兵衛はじっとその花びらを見つめる。
「ふふっ。君の唇を桜色にした花びらか」
「どうした? なんか嬉しそうじゃん」
「ねぇ慶次君、こういうの、どうかな」
「へ?」
  半兵衛の瞳が、またも悪戯っぽく細められる。そして慶次が未だ目を丸くしているうちに、先ほどの花びらを、舐めとるかのようにして口に入れた。
  慶次の顔が、ぼっと熱くなった。
「にがいな」
  苦笑しながら半兵衛が言う。そして慶次を見上げると、わざとらしく小首を傾げて問うてきた。
「羨ましい?」
「うっ…」
  思わず言葉に詰まる。羨ましいより何より、恥ずかしくて気絶しそうだった。半兵衛の仕種が無駄に色っぽかったせいもあるが、慶次の唇についた花びらを、目の前で、嬉しそうに、半兵衛が食べるのを見てしまった。直に口付けるより、よっぽど恥ずかしい。
「え…っと、そのぉ。羨ましい? って聞いてくれたってことは、その、あの、えーと……お、俺にー、えーとぉ、おお前に…似たよーなことしてもいい……みたい、な……?」
  思わず接吻の許しを請うてしまった慶次に、半兵衛がにっこりと笑う。
「駄目」
「なっ、なんだよーっ!!」
  期待するだけ無駄と知りながら、それでもやはり期待していた慶次は、いつもの如く撃退され、情けない声を上げてしまった。だが今日は、おとなしく引き下がってやるつもりはない。
「こんにゃろ、その気がないなら変なこと聞くな! こうなりゃ無理やり奪ってやる!」
「うわっ、こら、やめたまえ!」
「いやだ! 今のはずるい、羨ましいっ! お前だって、前に俺がお前に接吻したとき、ずるいってぼやいただろ!」
「僕は君の唇を奪ったわけじゃないだろう! 痛いよ、放してくれ!」
「絶対いやだ! 暴れんな、俺もお前の唇の桜色が欲しいっ」
  そんな騒ぎを繰り広げていると、またも強い風が吹いた。桜の花びらが舞い躍る。高く高く、舞い上がる。

 

  ――そして、数多の春が巡る。


                                               幕

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文字書きで絵描き。
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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