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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.11.22
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2009.04.19

おはようございます、黎です。
といっても、相も変らず予約更新ですが…;
因みに今日は資格試験です。…落ちそうだな…;

少し前に1000HITいったので喜んでいましたら、
今度は1111を通過しまして…! 
本当にありがとうございます!! m(_ _)m

さて、以前1000HIT越えしたときに、
雨宮から「ザックラ結婚式とか書けば?」
アドバイスをもらっていまして! 
久々にSSが書きたかったということもあり、
取り急ぎ1本仕上げました!! 
なのでこちらの作品を、1000HITの感謝として
上げさせて頂きたく存じます…! 

ただ気がかりなのは、どうも戦BAのサーチ様から
来てくださっている方が、ここ数日多いらしいことで…;
なので近いうちに、バーローズをやっていて妄想したという
慶半もアップさせていただきたく存じます! 
そして、こちらを1111HITのお礼にしたいな、と! 
それ以前に、戦BAのサーチサイト様に
修正に伺いたい、というのもあるのですが…;
登録以来、ちっとも更新してませんでした…;;;

さて、前置きが長くなってしまいましたが、
続きに1000HIT御礼のザックラを置かせていただきます! 
まぁ、もらったアドバイスに対して、
実際には「クラウドの嫁入り」的な話になりましたが…;
こ、今度言い訳しに来ます(駄)
それでは、お読みくださる方は続きにお進みくださいませv


 それと、ほんの少しだけ…
 キリ番を踏まれた方、もしもリクエストなどございましたら、
 拍手に呟いてやっていただけると幸いでございます(><)





 


Come on, my honey!


  部屋に入るなり、クラウドの目が点になった。
  一般兵であるクラウドは、同じ一般兵3人と共同でひと部屋を使っている。酷い人見知りと口下手が災いし、ルームメイトとはほとんど話すこともなかったが、この日は珍しく、ルームメイトが一様にクラウドの様子を伺っていた。だがそれも気にかけず、クラウドは呆気に取られたまま自分のベッドに歩み寄る。恐る恐る薄がけ布団を退けてみて、それからベッドの下やら思い当たる箇所を全て見てみたものの、やはり何も見つからない。
  クラウドの少ない私物が、あらかた部屋から消えていた。
  クラウドは完璧に我を失った。服は下着から何から、母が持たせてくれた小さな植木鉢も、亡父の形見も何もない。少ない荷物とはいえ、それはクラウドにとって、どれも欠かせない大切な品々だったのだ。それが、いつもの訓練に出ているうちに、すっかり全て消えてしまった。ショックの余り、言葉も出ない。
  呆然と座り込んだクラウドは、ルームメイトに何かを聞く気も起こらずに、そのままぴくりとも動かなかった。否、動けなかった、という方が正しい。誰かに盗まれてしまったのだろうか? それとも、これも誰かの嫌がらせなのだろうか? 他に可能性が思い付かないのに、怒る気力すら沸いてこない。まるで、自分の体の一部を、ごっそりと抜き取られてしまったかのようだった。
「…おい、ストライフ」
  動かない華奢な背中に、ルームメイトのひとりが声をかけた。それでもクラウドは動かない。なんだかどうでも良くなってしまっていた。続く言葉など、容易に想像がつく。
「お前の荷物は…」
  ああ、やっぱり。聞きたくなくて、いっそ耳を塞ぎたい程だ。放っておいてくれ、と言おうとした刹那、ルームメイトの言葉が続く。
「片っ端から1stのソルジャーが持っていったぞ」
「ッッ!?」
  予想外の言葉に仰天して、クラウドは目を見開いた。思わず振り向くと、ひとり自分のベッドに腰掛けていたルームメイトが、普段は寡黙な口を開いて続けてくれる。
「お前と仲のいい、黒髪のソルジャーが…」
「…わかった、ありがとう」
  ほとんど無意識に言いながら、次の瞬間にはクラウドは駆け出していた。さながら脱兎の如く。取り残された3人のルームメイトたちは、いきなり豹変したクラウドの後ろ姿を見送って、半ば唖然としていた。うちふたりは顔を見合わせ、どこか気の毒そうに寡黙なルームメイトを見やる。
  余談だが、女のような容姿のせいで良からぬ連中に目をつけられていたクラウドが、実際にはほとんど危険な目に遭うことがなかったのは、この寡黙で腕っ節のいいルームメイトの裏での工作があったからだということを、クラウドだけは全く知らなかった。

 

                   *          *          *

 

  全速力で駆け出して向かった先は、すっかり通い慣れたマンションである。神羅が仕切るこのマンションは、ソルジャー専用の寮として使われていた。そんな所に一般兵が通うなど、本来ならば有り得ないことだったが、クラウドはある人物の無茶な交渉の末、自由に出入りすることを許されていた。無論、今向かっているのも、その無茶な交渉をして権利をもぎ取ってきた張本人の部屋である。
  警備兵とて、すっかり見慣れたクラウドを呼び止めることはない。それをいいことに、クラウドはスピードを落とすこともなくエレベーターまで一直線に走った。カードキーを持たない者は上がることのできない階のボタンを押すと、クラウドはすっかり荒くなった息を整えながら、犯人の目的を探る。しかし、半ばパニック状態にあるクラウドが可能性に思い当たるより、エレベーターが1stクラスの部屋がある階に着くほうが早かった。こうなればもう何も考えるまい。扉が開くや否や、クラウドは再び駆け出した。目的地はエレベーターのすぐそばだ。間もなく辿り着いた部屋の前、渡されている合鍵のカードをかざせば、シュッと音を立ててドアが開く。
  その直後、扉の前に、すっかり見慣れた愛しい人がそこに現れた。
「いらっしゃいませ、マイ・ハニー!」
  そう言う彼は満面の笑み。両腕を開いて、クラウドが飛び込んでくるのを待っていた。
「……ザッ、クス」
  荒い息のまま恋人の名を呼ぶと、ザックスはようやくクラウドが汗だくであることに気付く。きょとんとしてクラウドを見て、間の抜けた声を出した。
「えっ、お前、なんでそんな汗かいてるんだ? …えっ、そんなに俺に会いたかった?」
「違…」
  思わず否定すると、僅かに頬を赤くしていたザックスが少しシュンとなる。が、そんなことに気付く余裕もなく、クラウドは荒い息のまま問うた。
「なんで…俺の、荷物…」
「えっ、聞いてないのか? 俺、ちゃんとお前と一緒の部屋だった奴に言ってお
いたぜ?」
「ザックスが、俺の荷物持ってったことは聞いた」
「まぁまぁ、取り敢えず入れよ」
  肩に手を置いて促されれば、クラウドに拒む理由はない。お邪魔します、と今さらながらに律義に言って、促されるままに大きなソファに腰掛けた。
「なぁクラウド、さっき、お邪魔します、って言った?」
「え…うん」
「それ、今日からナシな」
「え?」
  いつもは特に突っ込まれず、むしろ「どーぞどーぞ」と返されていただけに、クラウドはきょとんとする。荷物を持っていかれたことといい、今日のザックスはわからないことだらけだ。
  すると、ザックスの口から、ますますよくわからない言葉が飛び出した。
「今日からここは、俺とお前の部屋だからな!」
「えっ!?」
  再び大きく目を見開き、クラウドはザックスを見上げる。すっかり上機嫌なザックスは、クラウドを立たせて寝室に導いた。そこに、ザックスが持ち出したというクラウドの荷物全てが、取り敢えずといった感じで置いてある。それだけではない。今まではひとつだったベッドが、ふたつ仲良く並んでいた。
「他の物はちょっとずつ揃えてたんだけど、おんなじベッドがなかなか手に入らなかったんだよ。でも、今日やっと届いたんだ!」
「えっ、えっ?」
「それですぐにクラウドの荷物もらいに行ったってワケ。びっくりしただろ?」
「…それは、そうだけど」
  びっくりは未だに続いている。というか、未だにザックスの真意がよくわからない。今日からここが、ザックスとクラウドの部屋? しがない一般兵であるクラウドが、ソルジャー寮に住める訳がないのに? 
「それにしても、お前の荷物ってホント少ないのな。正直俺は助かったけど」
「ザックス、俺、今日からここで暮らすの?」
「そ♪」
「…まさか、アンタまた…」
「まーまー、気にするなって! 俺がクラウドと一緒に暮らしたかったんだからさ!」
  やっぱり思った通りだ。自信満々に腰に手を当てるザックスを見ると、軽い頭痛が起こってしまう。ソルジャー・クラス1stの権限を使って、また無理矢理権利をもぎ取ってきたのだろう。しかもクラウドには何も言わずに。ザックスとしては驚かせるつもりだったらしいが、恐らく無断だったのはそれだけではない。言えばクラウドが反対するとわかっていたからだろう。
 ザックスはクラウドのこととなると血相を変える。そして思い付く限り権力を行使する。それがザックスの評価に傷を付けているであろうことは容易に想像がつくし、そこまでされる程の価値を、クラウドは自分に認めていない。どうしても、嬉しいより、申し訳ないという気持ちが勝ってしまうのだ。
  クラウドが少し俯いていると、ザックスの大きな手がクラウドの髪をくしゃりと混ぜた。大きくて力強く、何より優しい手だ。
「まーた下らないこと考えてるんだろ」
  明るい声でそんなことを言われれば、反論のひとつもしたくなる。クラウドは上目遣いにザックスを少し睨んで、ツンと唇を尖らせた。
「…下らなくなんかない」
「じゃあ言ってみ?」
「……ザックスが、俺と一緒にいたいって思ってくれるのは嬉しいよ。でもそんなことに権力なんか使ったって知られたら…」
「ほら、やっぱり下らないじゃん。お前、周りの目気にしすぎ」
「でも」
「クラウドは、俺と一緒に暮らすの、イヤか?」
  どこか不貞腐れた子供のように、ザックスが首を傾げて問い掛ける。そういう訳ではない。ただ、ザックスの迷惑になるようなことをしたくない、自分のせいでザックスの評価が下がるのが嫌なだけで。たったそれだけのことも上手く言えずに、クラウドはふるふると頭を振る。すると、再び頭上から明るい声が降ってきた。
「じゃあ決まりな! 安心しろよ、これからも大事にするからさ」
  顔を上げれば、ザックスはどこまでも幸せそうで。それを見るや、クラウドは再び俯いてしまう。
  そんな顔をされては、もはや何も言い返せない。ただ嬉しくて恥ずかしくて、胸がいっぱいになっていく。
「ん? どうした、クラウド?」
  無意識のうちに、ザックスの指先を握っていた。赤く染まった顔を見せることなど恥ずかしくて堪らず、俯いたままにもごもごと口を動かす。
「…その、俺、なんにも出来ない…よ」
「気にするなって! 俺の我が儘なんだし♪」
「……じゃ、その…。ふつつか者だけど、これからも…宜しく」
  なんと言えばいいのかわからず、言ってからますます恥ずかしくなる。すっかり小さくなったクラウドの前、しかしザックスも動く気配がない。暫くそのまま時が流れて不思議に思ったクラウドは、上目遣いにザックスを見上げる。
「え…、ざ、ザックス?」
  見上げたザックスは、なぜか真っ赤になって口を塞いでいた。また何か余計なことを言ってしまったのだろうか。
「……クラウド」
「う、うん」
  たっぷりとした間の後で聞こえたのは、なぜだかやたら神妙な声。思わずクラウドが背筋を伸ばすと、ザックスが赤いまま生真面目な顔をして告げてくる。
「それは、同棲じゃなくて、嫁入りってこと?」
「はっ??」
  クラウドは間の抜けた声を上げた。しかしザックスは、相変わらず大真面目な顔で続ける。事実、彼は物凄く真剣だった。
「嫁入りするときの台詞だよな、今の」
「え、え、その…」
「クラウド~ッ!!」
  突如、逞しい腕がぎゅうっとクラウドを抱き締める。驚いたクラウドは抵抗もなく、未だ呆気に取られたまま大人しくザックスの腕の中に閉じ込められていた。
「安心しろッ! 絶対に幸せにするからなッ!! 一緒に幸せになろうな、クラウドっ!!」
「ちょ、え、ま、待ってよザックス! 同棲ってなに…」
「ああ、同棲じゃないよな! 俺たち新婚だもんなっ!」
「な、何言って…っ!」
  今更な問い掛けをするクラウドに対し、ザックスは涙声である。クラウドには自覚はないが、クラウドからの思いがけない台詞は、ザックスの胸をときめかすには充分すぎたのだ。二度と放すものかとばかり力強くクラウドを抱き締めていたザックスは、一度クラウドを離し、赤く上気した顔で告げる。
「クラウド。俺、今めちゃめちゃ幸せ」
  無邪気にそんなことを言われては、クラウドこそ赤くなって俯く他ない。そんな彼の額に優しいキスを贈ると、ザックスはひょいとクラウドを抱え上げる。
「えっ、ざ、ザックス?」
「ん? まぁまぁ。新婚初夜はやることやらなきゃ、だろ♪」
「なっ!!」
  露骨な発言に改めてクラウドが赤くなる。そうこうする間にベッドに下ろされ、ザックスのキスの雨が降り始めた。こうなってしまっては、クラウドには到底勝ち目はない。
「お、俺、明日も訓練が…っ」
「心配するなって。俺に任せとけよ♪」
「だ…だから、そんなとこで権力っ…」
「俺のベッド、好きだって言ってたよな?」
  いきなり話題が変わり、クラウドは呆気に取られたが、すぐに小さく頷き返す。ザックスはキスを降らせながら、嬉しそうに紡いだ。
「だから同じの探したんだけどさ。別に、新しいベッド用意しなくても良かったかな~♪」
「…の、すけべ…っ」
  そうは言いながらも、クラウドも密かに思っていた。新しいベッドなど必要ない、クラウドが好きなのは、柔らかくてふかふかで、ザックスの匂いがするベッドなのだから。
  裸にされた腕をザックスの裸の背中に回しながら、クラウドはひとり照れ臭そうに忍び笑った。


                                         幕

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戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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