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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.05.19
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2009.04.18
先日、友人の薫に頼んでいた作品を頂きまして! 
こういうものは、熱が上がっているときに
行動に移させていただくのが良いかと…
というわけで、久々に頂き物をアップさせていただきますvv

今回頂いたのは、クラティーのデート話です。
いやぁ、もう可愛くて可愛くて可愛くてかw(以下エンドレス)
ちょっと時間がないので、取り急ぎアップのみ! 
薫、本当にありがとうvvv

それでは、どうぞ続きにお進みくださいませ! 






「本日ハ晴天ナリ」

 

絶好の行楽日和。
いっそ憎らしいほどに、空は晴れ渡っていた。
だがしかし、この空とは裏腹にクラウドの心は曇り気味だった。
「今度の創立記念日、どっか遊びに行こう!」
と、ティーダに誘われたまでは良かった。
どこへ行きたい?、と聞かれ、どこでもいい、と答えたのは何を隠そうクラウド自身。
しかしそれがまずかった。
「それじゃあ、遊園地に行くッス!」
瞳を輝かせながら言われてしまえば、嫌だとも言えない。
遊園地といえば乗り物。
クラウドは乗り物が苦手だ。
それも、かなり。
しかし、どこでもいいと言ってしまった手前、その言葉をすぐに撤回するのもどうかと思ったし、何よりティーダが楽しみにしているようなので、クラウドは腹をくくることにした。
それでも、当日雨が降るかもという淡い期待を抱いてみたが、その期待は見事に打ち砕かれた。
「ク・ラ・ウ・ド!!」
「ぐはっ」
空を見ながら物思いに耽っていたクラウドは、突然の衝撃によろめいた。
「はよッス!」
待ち合わせ場所に現れたティーダは、片手をあげてにこやかに言った。
「…いきなり何だ」
「クラウドがぼーっとしてたから、軽くタックルしてみた☆」
親指を立てながら言うことか。
「…危ないから止めろ」
「えー」
ティーダは不満そうだったが、わかったッス、としぶしぶ頷いた。
「それより、晴れて良かったッスね!」
「…あぁ」
「まぁ、オレ晴れ男だから、当然っちゃ当然かな」
「……」
そういえばそうだった。
普段はそんなに気にしないが、今日だけは彼のその体質を、クラウドは少し恨めしく思った。
だが、こうなってしまえばもう覚悟を決めるしかない。
「さ、行くッスよ!」
「…あぁ」
憂鬱な気分を振り払い、クラウドはティーダに続いて歩き出した。

 


遊園地の中は、平日だけあってそんなに混んではいなかった。
「創立記念日ってお得ッスね!!」
「そうだな」
「これなら、並ばなくても済みそう」
見るからに楽しそうに、ティーダは周りを見回しながら言った。
「まずは、どれにするんだ」
「やっぱ、あれッスね!」
「……」
ティーダが指差した先には、この遊園地で一番人気の絶叫マシンがあった。
やっぱりか。
一応聞いてはみたものの、予想通りの返答が返って来たことに、顔には出さないが内心がっかりする。
「…最初は、もっと穏やかなのにしないか?」
せめて、少しでも慣れておきたいとクラウドは思う。
慣れるかどうかは正直わからないが、それでもいきなりアレよりはマシだろう。
「いや、ここはやっぱりアレに乗っておかないと、男が廃る!」
どういうことだ、それは。
クラウド頭を抱えたい気分になった。
「クラウド、早く早く!」
「わかったから、走るな」
再び覚悟を決めて、クラウドは先を行くティーダを追いかけた。

 

 

「………」
クラウドはベンチに座ってぐったりとしていた。
「…だいじょぶ…じゃ、ないッスよね…」
最早答える気力もない。
「…ごめん、クラウド。オレ…無理言ったみたいで…」
「…いや」
それだけ言って、クラウドはまた沈黙する。
「乗り物、弱かったんスね」
知らなかった、とティーダは呟いた。
「知ってたら、遊園地行くとか言わなかったのに…」
ティーダはすっかり意気消沈してしまっていた。
「……」
そんなティーダの様子を見たクラウドは、気分が悪いのを堪えながら、すっ、とティーダの方に手を伸ばし彼の頭を撫でてやった。
「ティーダの、せいじゃない」
俺が情けないだけだ。
「でも」
「少し休めば、治る。だから大丈夫だ」
そう言うと、ティーダはうん、と頷いた。
それからいきなり思い付いたように
「そうだ!オレ、冷たい飲み物買って来る!」
と言って彼は勢いよく立ち上がった。
待ってて、と言うとティーダはベンチから颯爽と走り去って行く。
その後ろ姿を見送って、クラウドはゆっくりと目を閉じた。

頬にヒヤリと冷たい感触。
それに気付いて目を開けると、帰って来たティーダが、自販機で買ってきたと思われるペットボトルの水を差し出しているのが見えた。
「はい、お待たせ」
「…悪いな」
ティーダから飲み物を受け取って、蓋を開けてそれを一気に流し込んだ。
冷たい水がのどを通り、すこしばかりの爽快感を得る。
先程よりは、大分楽になってきた。
「ティーダ」
「何スか?」
「次は、何に乗りたい」
「え?何にって…クラウド大丈夫なんスか?」
最もな質問だ。そう思いながらクラウドは答える。
「…アレはもうこりごりだ。でも他のなら大丈夫かもしれない」
「…ホントに?」
「多分な」
「多分って…」
また気分悪くなるかもしれないッスよ?とティーダが言う。
「…けど」
「え?」
「楽しみに、してたんだろ。…だったら、俺も頑張らないと」
ホントは、雨降らないかな、とか思ったけれど。
自分が不甲斐ないせいで、落ち込ませてしまったけれど。
やっぱり、彼が笑っているのが一番だと思うから。
「せっかく晴れたんだ。楽しまないと損だろ」
「…うん!」
青い空と白い雲。
柔らかな陽光が降り注ぐ。

本日ハ晴天ナリ。

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戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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