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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.05.19
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2009.04.25
と言いつつ、昨日ブログが見れない状態に陥っていたようで…
原因がよくわからないのですが、
もしその時間帯に来てくださった方がいらっしゃいましたら、
大変失礼致しました…!(><)

改めまして、おはようございます、黎です。
昨夜、楽しみにしているミュージカルのチケットがようやく届きまして…
A列だけでなくてXA列も!? ささ最前列のど真ん中!!! 
うわぁ…ドッキドキです。何がなんでも行かなきゃ…! 

さて、いきなりどうでもいい話をしてしまいましたが、
本日は先日の宣言どおり、
1111HIT記念慶半SSをアップさせていただきますvv
わわわ、戦BAのサーチ様からいらしてる方、
以前よりめっちゃ増えてる…!! 
これもバーローズ効果でしょうか…うぅ全然やれていない…
因みに、アニメは見てません。まぁ…半兵衛出てないしな。
慶次君がめちゃカッコイイという噂は聞いていますが。

今回のお話は、バーローズの半兵衛ストーリーをクリア後、
半兵衛がとても充実していて、未来を感じさせる言葉を
言ってくれたために突発的に妄想した話を軸にして、
未来を語る慶半…という感じで書きました。
あんなに未来を感じられる半兵衛って、
私は初めて見た気がします。

さて、今日はあっちこっちにお買い物に行きます。
其の中には、バーローズやれてないと言っているくせに、
PSPのゲームが含まれていたりします(駄)
いやぁなんて言うかもう…週末ごとになんだこの散財っぷり…;
先週はFF7の十周年記念アルティマニアの復刻版を衝動買いして、
更に見つけられずにいた小説(同じくFF7)をようやく見つけて。
今日の買い物は仕事関係のものです。ゲーム以外は。

さて、あまりぐだぐだ話していてもあれなので、
お話を読んでくださる方は続きにお進みくださいませ! 






春の宵


  その日、珍しく半兵衛はよく呑んだ。
  互いの姿を見ることもない時期が長く続いたのは事実だが、その間に酒を嗜むようになったとも考えにくい。それに、白い頬をすっかり赤く染めているのを見れば、未だ大して強くないことはわかる。それでも、今日の半兵衛はよく呑んだ。
「機嫌いいな」
「そうだね」
  そう言いながら、半兵衛は慶次の肩に頭を預けてくる。心なしか、いつもより肌が熱い。するりと細い腕が絡んできて、酔ってんなぁ、と改めて思う。慶次に体をぴったりと寄せたまま、半兵衛はちびちびと酒を口に運んでいた。
  この酒を持ってきたのは慶次である。しかし、もともと酒に弱い半兵衛がそんなに呑むとは思っておらず、ただ彼に会う口実として持ってきたに過ぎなかった物だ。だが、夜も更けてからようやく自室に姿を見せた半兵衛は、前触れもなく部屋に上がり込んでいた慶次を見て単純に喜ぶと、酒に目を留めて「一緒に呑もう」と言い出したのである。以前会った時には、慶次は秀吉を殴りに来た立場であり、まさかこんなにあっさりと迎えてもらえるとは思ってもみなかった。
  ただ、今こうしていて、ひとつ気付いたことがある。以前に比べ、半兵衛を蝕み苦しめていた病の気配が、遠くなっている気がした。
「なぁ、最近どうなんだ?」
「何がだい?」
「んー、まぁその…、いろいろ?」
「ふふっ、それじゃあわからないよ、慶次君」
  濁した慶次に対し、半兵衛は上機嫌なまま再び杯に口をつけ、明るい声で応える。
「とても上手くいっているよ。…本当に、なんだか我を忘れそうなくらいにね」
「それ、なんの話?」
「君が言ったんだろう、いろいろだよ」
  くすくすと笑いながら、半兵衛はすいと慶次に体を向けた。酔ってとろんとなった瞳が慶次を見つめ、絡めた腕に力が入る。
「君も戻ってきてくれたし」
  やっぱり酔っている。普段の半兵衛なら、恐らく慶次の来訪を呑気に喜ぶことはなかっただろう。慶次は未だに秀吉を許した訳ではない。ただ、世が秀吉の天下となった今、わざわざ秀吉に喧嘩を売ってまで邪魔をしようとは思わなくなっただけの話。せめて恋人であった半兵衛とは、再び会えないだろうかと、慶次はそう思って大阪城に来てみたに過ぎないのだ。それが分からないほど半兵衛は暗愚ではない。にも関わらず、呑気に先ほどのような科白を言ってのけた。言ったとおり、よほど上手くいっているのだろう。いろいろなことが。恐らく、彼自身の体調を含めて。
「な。半兵衛の話、聞きてえな」
「なんの話だい?」
「だから、いろいろ」
「具体的に」
「じゃ…、何がそんなに上手くいってるのか、とかさ」
「だから、いろいろ」
「あっ、ずりぃ! 具体的にって言ったの半兵衛じゃねえか!」
  言葉遊びをしているつもりなのか、半兵衛は声を上げて笑う。笑うなよ、と言いながら、慶次もつられて笑った。ああ、懐かしい。まるであの頃のようだ。半兵衛と想いを通わせ始めたばかりの頃、まだねねがいて秀吉の隣で笑っていて、4人で下らないことで笑い合って。かと思えば半兵衛が慶次をからかいにかかって、笑う彼につられて慶次も笑って。懐かしい。戻れるのだろうか、あの頃に。あの頃のように、愛する人と笑い合えるように。
「僕はね、慶次君。今、とても充実しているんだよ」
  ひとしきり笑った後、半兵衛は微笑みながらそう言った。
「秀吉の世になって、まだこうして生きていて。明日になれば、また僕は訓練の指揮をとる。当たり前みたいに明日のことを考えている。それに…、まだ遠い未来のことも」
「体、調子いいんだな」
「ふふっ。秀吉が天下を取った直後はね、悪化していたんだよ」
  ようやく本音を言った慶次に対し、半兵衛の声は変わらず穏やかだ。彼は僅かに眉をしかめた慶次の手を取り、それを己の胸に当てる。薄い胸の下、そこにあるのは病んだ肺。
「やはり無理が祟ったね。でも、その後驚くほどに回復した。…生きたいと願う意志は強いものだね。まだ、まだ生きていられるんだ。秀吉の作る世を、この目で見られる」
「ああ、良かったな」
  慶次は笑い、空いている手で半兵衛を抱き寄せると、柔らかい白銀の髪を撫でた。慶次の腕の中に収まった半兵衛は、満足そうに微笑んでいる。慶次の手を握る力は充分に強い。熱い体は生の証。…まだ、まだ生きていられる。半兵衛が元気に生きていてくれるなら、慶次にはもう何もいらない。
「な、半兵衛」
「ん?」
  呼ばれた声に応じ、半兵衛が顔を上げた。目が合うより早く重なる唇。いつもよりも深く激しいそれに、半兵衛は積極的に応じてくる。互いに夢中に貪り合い、唇が離れたときには息が軽く乱れていた。
「半兵衛、半兵衛」
「ん…、聞いているよ」
「…半兵衛」
  力強く閉じ込めた腕の中、感じる温もりはこんなにも確かで。ああ、今なら信じられる。これは夢でもなんでもない。今、半兵衛はここにいる。俺の隣で、笑ってる。
「酔ったのかい、慶次君」
「ん…、お前に酔ったかも」
「おや、嬉しいことを言ってくれる」
  半兵衛はくすくすと笑っていた。つられて慶次も笑っていた。
  そのままふたり、他愛のないことを話す。思い出話はしなかった。話をしたのは未来のこと、いずれ訪れるやも知れぬ、遠い遠い未来のこと。
「ねぇ、慶次君。僕はとても幸せだよ」
  慶次の腕に収まったまま、半兵衛が穏やかな声で言った。
「君の隣で生きていられるんだ、慶次君。…僕の夢が、またひとつ増えてくれた」
「聞かせてくれよ」
「ふふっ。僕が言わなくても、君ならわかるだろう?」
「半兵衛の口から聞きたいんだって」
  半兵衛は嬉しそうに笑い、僅かに体を捻る。そして慶次に軽く口付け、甘えるように紡いだ。
「君と共に、老いて死ぬまで共にいたい」
「きっとそうなるって」
「ああ。信じたいな」
  春の宵。花咲き誇る、芽吹きの季節(とき)。
  命の営みを祝福し、優しい風が花弁を揺らした。


                                      幕

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文字書きで絵描き。
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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