すいーと・すいーと
黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
今回、唯一「本命相手へのお返し」である飴を贈ったのはセフィさまでした(笑)
しかもセフィ様、これが初描きです…む、難しかった;
で、これを描いた後、ちょっとSSを書きたくなりましたので、そちらを続きに!
このイラストとは少し違う雰囲気ですが、宜しければご覧くださいませv
「S様の愛情表現」
その夜、すっかり帳も落ちた深夜に、彼は仏頂面をして現れた。
「どうした、クジャ。何をそんなに怒っている」
わざとらしく問うセフィロスの声は、彼に親しい者ならばすぐにわかるくらいに楽しげだ。もっとも、怒りに頬を赤くしているクジャにとっては不愉快なことでしかない。彼は怒りを隠す素振りもなく、宙に浮いてセフィロスを見下している。
「何を怒っているだって? ふんっ、キミの頭の悪さにはイライラさせられるよ」
「そこまで言われなくてはならないほど、私が何をした?」
「とぼけるのも大概にしたほうがいいんじゃないのかい? それとも、キミは本気で言っているのかなぁ」
「フフ、生憎だが心当たりがないのでな」
ますますクジャの頬が赤くなった。勿論、クジャが何を言いたいかなど百も承知だ。だからこそこうしてはぐらかしている。それに、心当たりがないというのも本当だ。クジャが怒っているのは、セフィロスが何かをしたからではなく、何もしなかったからなのだから。
「今日がなんの日なのか、キミは忘れてしまったのかな」
声を震わせながら、ようやくクジャが核心を言う。可愛らしいその様にくすりと笑うと、セフィロスはこつこつと音を響かせながら、ゆっくりとクジャに歩み寄る。手を伸ばすと、クジャは逃げるでもなく、ただ僅かに反応した。
「済まないがそのようだ。教えてくれないか」
「っ…! もういい!」
パンと音を立てて手が払われる。少々苛めすぎたようだ。ぷいと背を向けるクジャの背中、張り詰めた糸のようにまっすぐで美しい銀の髪に指を伸ばした。優しく口付けるも、クジャが逃げ出す素振りはない。セフィロスはひとり忍び笑うと、固く握られた拳に優しく手を重ね、そっとクジャの顔を覗き込む。
「許してくれ。冗談が過ぎたようだ」
「冗談? フンッ、今さら言い訳をするのかい?」
怒りに高ぶる声はそのままに、それでも唇が言葉を紡ぐ。セフィロスはクジャの手を優しく持ち上げると、指先にそっと口付けた。そのまま僅かに視線を送ると、クジャの熱いまなざしとぶつかる。セフィロスは優しく笑んだ。
「教えてくれ。どうすればお前の怒りを解くことができる」
そう言いながら下手に出ると、クジャはそれだけで少しずつ怒りを鎮めていく。もうよくよくわかっていることだ。こんなにも可愛い人は他に知らない。間もなくセフィロスの目論みどおり、クジャは落ち着いた声で返してくる。
「冗談だったというのなら、その証をしてみせてご覧よ」
「それでいいのか」
「できるのかい?」
フフ、と小さく笑いながら、セフィロスは懐に手を伸ばした。宙に浮いたままのクジャの手に、そっと小さな包みを乗せる。
「なんだい、これは?」
「開けてみればわかるさ」
クジャは少しだけ不機嫌そうに眉を寄せたが、素直に袋を開け始めた。ひと度機嫌を取れば、案外大人しくなるのである。そんなところも可愛いと思う。普段あれだけ甘やかしているのだ、たまにはこちらも愉しませてくれなければ。
中を確認したクジャは、幾分むすりとしてこう言った。
「なんだい、これは?」
「キャンディーだ。知らないのか」
「それくらい見ればわかるよ! キミはこんなもので…」
クジャが言い終えるより早く、セフィロスは強引にクジャの手を掴んで引き寄せる。僅かに驚いた彼の手元からキャンディーをひと粒取り出すと、軽く口付け、それからクジャの唇に押し当てた。
「ホワイトデーにキャンディーを贈るのは、本命の証だろう」
口にキャンディーを押し込まれたクジャの頬が、ぱっと赤く染まっていた。
幕
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。
09/02/19 ブログ始動