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すいーと・すいーと

黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。

2024.11.22
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2009.03.15
おはようございます、黎です。
今日は大学の卒業式でございます! 
が、更新内容はこれっぽっちも関係ございません(苦笑)
ホワイトデーに浮かれてたから考えてなかった…;
…まぁ、記事を書いているのは、14日なんですが…;
(更新する時間がなさそうだったので予約機能使ってます;)

今日は先日ちょろっと言っていた、
慶半+チカナリ前提現パロSSをアップします~。
実際には、今日アップする部分は半兵衛と毛利の話ですが。
明日・明後日も、これの続きのネタをアップします。
あぁでも私はどんだけチカを書くのが苦手なんだ…! orz

この話は、大学生設定で、半兵衛と毛利は高校からの腐れ縁です。
腐れ縁なだけで、別に仲がいいわけではないです。
半兵衛は慶次君と、毛利はチカとそれぞれお付き合い中。
まぁ…しょーもないネタでございます(苦笑) 毎度のことですね、はい。
あと、先日アップしていた慶半のバレンタインやホワイトデーの話とは、
別の設定とお考えください; これ書いたこと、すっかり忘れてたんです…;

因みに、話の中に登場する曲は実際にあります。
が、うっかりして曲名とバンド名を忘れてしまった…!!(汗)
私は友人がカラオケで歌っているのを聞いただけなんです…;
後で判明したら追記しておきます…申し訳ありません…っ
なお、話の中で半兵衛がロックっぽいのを「うるさい」とかなんとか言ってますが、
私はロック大好きです。むしろハードロックとかメタルとか好きです。
数はたいして聞いてないですが、メロディックメタルとかすてき…! 
半兵衛は音楽とか自発的には聴かないだろうな、と思ったので、
そういう表記になったことを予めお伝えしておきます。
別にロックとかの音楽ジャンルを批判したいわけではありません! 

 ※3月18日追記
   話の中に登場した曲の名前とバンド名を教えてもらいました。
   ムックというバンドの「大嫌い」という曲でございます。
   曲名だけで、なんとなく話の内容が想像できますね(笑)
   雨宮、教えてくれてありがとうv

相変わらず前置きが長くなってしまいましたが、
お読みくださる方はどうぞ続きにお進みくださいませv




「似たもの同士」


  こんなところに好んで来る物好きは、果たしてどれほどいるのだろうか。竹中半兵衛は、椅子に深く腰掛け直しながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。彼の隣では、高校の頃から今までずっと縁が続いている毛利元就が、やや眉を寄せながら、真剣な顔をして歌っている。カラオケボックスのその部屋に響いている歌詞といえば、キライキライキライキライキライキライキライ……
(そんなの、前から知っているけれど)
  毛利の意図が全くわからず、半兵衛は小さく溜め息をついた。
  そもそも半兵衛が毛利とふたりでカラオケなどに来ていること自体、訳のわからぬことだった。大学で同じクラスになっている必修の授業が終わるなり、3時間ほど付き合えと言われたのが事の発端。特に用事もないからと思い、行き先も用件も訊かずに頷いたところ、半兵衛はカラオケに連行されたのである。そして毛利がソッコーで入れた曲が、今彼が淡々と歌っているロックらしい曲なのだった。半兵衛にとっては、歌詞よりも曲自体のうるささの方が、よほど煩わしくて堪らない。
  半兵衛と毛利は、高校1年の時に同じクラスになり、それ以来なぜかずっと同じクラスが続いているという、いわゆる腐れ縁の仲だった。共に成績は学年トップ、頭の回転そのものも早いときて、性格の不一致からずっといがみ合ってきた。否、正確には、毛利が一方的に半兵衛に噛み付いてきていた、という方が正しい。半兵衛は半兵衛で、自己中心的にして冷徹な嫌われ者が、自分にだけは妙に噛み付いてくるのが面白くて、それなりにちょっかいを出してきた。無論、毛利は半兵衛を嫌っているのだと、よくよく理解した上でのことだ。もっとも、どうやらそのお陰で半兵衛は周りから、毛利の唯一の友人という有り難いとは言い難いレッテルを貼られていたらしいのだが。そのレッテルに効果でもあったのか、気付けば大学まで同じ学部の同じ学科と、腐れ縁が今も続いている。必修の授業のクラスまで、2年連続で同じになってしまっていた。
  まぁ腐れ縁はそうなのだが、つまりは毛利が半兵衛を嫌っているのも年期が入っていることである。このやかましい曲は、今まで散々くだらないことで彼をいじり倒してきた半兵衛への復讐のつもりなのだろうか。最近少し丸くなった気がしていたのは、どうやら半兵衛の気のせいだったらしい。
「どうだ」
  ひと通り歌い終えると、毛利はしれっとした表情で訊いてきた。
「どうと言われてもね。前から知っていたよ、くらいしか言えないな」
  あまりに馬鹿げたことに思えて、半兵衛はうっすらと笑いながらそう答える。毛利の前では稀に見せている、嘲りをも交えた笑みだ。呆れなど、とうに通り過ぎていた。
  だが毛利は何を思ったか、心外だとでも言わんばかりに眉を寄せる。半兵衛が気付いていないとでも思っていたのだろうか。だとしたら相当の鈍感だ。彼に対する評価を考え直さなければならない。
「歌詞ではない。我の歌のことぞ」
「は?」
「うまく歌えていたかと訊いている。さっさと答えよ」
「僕を感動させる気だったのかい?」
「とぼけるでない、さっさと答えよ!」
  訳がわからない。だいたい、今の曲で、一体何を測れというのだ。曲そのものが聴くに堪えなかったため、毛利の歌などろくに聴いていなかった。
「仮に僕が褒めたとして、君はどうするつもりなんだい、元就君」
  興味など欠片もなかったが、適当な答えを言ってやる参考にするつもりで問う。てっきり不快な顔をして答えを促されるものと思っていたが、毛利はますます訳のわからないことを言い出した。
「決まっておる。元親に聴かせるのだ」
「…今の曲をかい?」
「他に何を歌えと申すか」
  些か苛立っている毛利を見ながら、半兵衛は内心溜め息をついた。ここまでくると、いっそ毛利を哀れんでやりたくなってくる。
「僕の記憶に間違いがなければ、元親君は君の恋人じゃなかったかな?」
「ふん、今さら何を申す」
  本気だ。どうやら彼は本気で、恋人に今の曲を歌って聴かせるつもりらしい。半兵衛は諦めにも似た気持ちで、適当に言葉を選んで言う。
「まぁ、彼なら感激してくれるんじゃないかな。涙でも流しながらね」
「それは褒めておるのか? はぐらかすでない」
「歌詞が聞けるくらいには、十分上手だったよ」
  毛利は恋人に別れでも告げるつもりなのだろう。大学で一緒になった豪快な荒くれ者は、友人がひとりもいないと言われた毛利をひたむきに愛した、酔狂以外の何者でもない稀有な男だった。どうやら彼と付き合い始めてから毛利が丸くなったような気がしていたのだが、やはりまともな人付き合いを酷く苦手とする毛利には、彼との関係は続けられなかったということなのだろう。
  半兵衛がそんなことを考えていると、毛利がいつもの相手を小馬鹿にした表情で半兵衛に言った。
「ならば良い。竹中、貴様もこの曲を覚えよ」
「おや、それはそれは。君は僕に、今の曲を歌って欲しかったのかい」
「でなければ、わざわざこのような場所に連れ出したりはせぬわ」
「わざわざありがとう、と言えば満足かい? 残念ながら、君のためにこんな耳障りな曲を覚える気はないけどね」
  半ば冷ややかな声でいつものやり取りを始めた。そのつもりだった。が、毛利がまたもや眉をひそめ、訳のわからない発言をする。
「我に歌ってどうする。貴様も貴様の恋人に歌うがよい」
「…慶次君に?」
  珍しく半兵衛の眉が動いた。毛利の不快な発言には慣れているが、今の言葉は侮辱だ。半兵衛は幼馴染みの慶次と想いを通わせるようになって久しく、誰よりも彼を愛していると自負している。なのになぜ、慶次にこんな歌を歌って聴かせなければならない。ひたすらキライを連発するだけの、想いと真逆の歌詞の曲など……
(……ん?)
  そこまで考えて、半兵衛はふと我に返った。ついでにもうひとつ、しょうもないことを思い出す。
「元就君。まさか君は、わざとこんな歌詞の曲を聴かせて、彼の気持ちを試そうというのかい?」
「ほう、他に理由があるなら言ってみよ」
  ……本気だ。
  半兵衛は一気に脱力する。よくよく考えれば、毛利の思考回路は、嫌気が差すくらいには半兵衛のそれとよく似ているのだ。半兵衛が慶次相手に今の曲を歌って聴かせようと思い立つならば、間違いなく慶次を試すためでしかないだろう。どれくらい彼が自分を愛してくれているのか、それを測るためだけに。
「やれやれ。君が僕に聞かせたかったのは、ただの惚気だったという訳か」
  いくらなんでも、自信に欠けているならば、こんなに堂々とはしているまい。それを聞いた毛利は、ふん、とまたも鼻を鳴らす。
「貴様は自信がないと見える。ならば尚のこと、前田に聴かせてやるがよい」
「遠慮するよ。結果があまりに見えていて、面白みに欠け過ぎるからね」
  あまりに馬鹿馬鹿しく思えてきて、半兵衛は軽く答えた。それと同時に、心の奥深いところで、小さく溜め息をついてしまう。
  どうやら毛利は、半兵衛に貼られた「毛利元就の友人」というレッテルを、そのまま認識したらしい。
  恋人のお陰で丸くなったのは、実はお互い様だったりするのだが、本人たちに気付く筈はなかった。そのままふたりは、その後の3時間を延々と、各々の惚気を聞かせることに費したのであった。


                                                幕

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戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。

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