すいーと・すいーと
黎が管理・運営しているきまぐれブログです。 初めてお越しの方は、カテゴリー「about」内の「はじめに」という記事をご覧ください。 女性向け要素、同人要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
自分のSSもアップしてなかったとか、
どんだけ放置してたんだ自分…(死)
さて、本日は、久々にザックラをアップいたしますvv
いや、久々って、何したって久々なんですが……orz
思いっきり甘くて甘くてうざったいくらい甘いのを書こうとして、
書き上げたのがこれでした。
うーん、これってどれくらい甘いのかなぁ…;
自分ではなかなか甘さの見当がつかないので;;
実は、あまりに甘くならなかったので、
最後まで書いてから6割くらい手を入れてたりします;;
お読みくださる方は、どうぞ続きへとお進みくださいませ!
あぁぁ~~雨宮に(勝手に)捧げるセフィジェネも書いてない…orz
「Sweet Holiday」
例えば、砂糖でまぶしてみて。
或いはたっぷり蜂蜜をかけ。
さてはて、どこまで甘くなるでしょう?
「たっだいま~♪」
すっかり上機嫌なザックスの声。跳ねていたのは声だけではない。家に帰る道すがら、彼は半ばスキップしているかような軽い足取りだったのだ。
勿論それは、愛しい恋人を思えばこそ。ザックスの声を聞き付けて、可愛い恋人が駆け寄ってくる。
揺れる柔らかいハニーブロンド。ほんのちょっとはにかみながら、彼の優しい声が告げた。
「おかえりなさい、ザックス」
「ただいま、クラウド♪」
ちょっと照れながらお出迎えをしてくれるクラウドは、さながら初な新妻のよう。ザックスは一層の幸せに満たされ、可愛い奥さんの頭をくしゃくしゃと混ぜた。
「俺が帰ってくるまで、いい子にしてたか?」
「いい子って、俺、子どもじゃないよ」
「じゃ、おかえりのキス、して♪」
頭の中まで幸せ一色に染まっているザックスは、普段なら滅多に言わないことをけろっとして言ってのける。
ここで珍しいのはクラウドも同じ。色白の頬をピンクに染め、しばしそのまま逡巡した後、控え目にくいっとザックスの裾を引く。中に入って、ということらしい。嬉しい展開にザックスが素直に従うと、オートのドアがシュッと閉まった。そうして完璧にふたりになると、クラウドの色白で細い腕が、そっとザックスの首に絡んでくる。
期待したザックスが目を瞑れば、柔らかい唇が触れ合う感触。
触れ合うだけの優しいキス。やがて勿体ぶるようにゆっくり唇が離れると、今度はザックスがクラウドの腰に手を伸ばした。どうやら、普段はしない自分の行為が相当恥ずかしかったようで、クラウドは耳まで赤くなっている。
「クラウド、かわいい」
「か、可愛くない」
とか言いながら、控え目に腕に力を込めるのだから、正直可愛すぎて堪ったものではない。多分、恥ずかしくて顔を見られたくないとか、彼はそんなことを思ってひっついているのだろうけれど。
もうちょい自覚したっていいと思えばんだけどなぁ。そんなことを考えつつも、素直に認められずに照れてるクラウドもサイコーに可愛いけどな♪ とか惚気ているのだから、彼は充分に末期といえるだろう。
そんなザックスでも、理由もなしにはしゃぎはしない。明日は久しぶりにふたり揃っての休日なのだ。これで、明日への期待に胸を焦がさない恋人たちがいるだろうか? 今日までの疲れなど、愛しい人の甘いキスひとつで簡単に吹き飛んでしまう。明日はめいっぱい、ふたりの時を楽しむのだ。
ひとしきり互いの温もりを堪能した後、ザックスは手に持っていた買い物袋を、クラウドの目線まで持ち上げた。
「クラウド、これな~んだ♪」
「えっ、なに?」
「じゃっじゃーんっ!」
パッと袋を開いて中を見せる。牛乳や小麦粉、その他もろもろ。意味がよく分からないらしく見上げてくるクラウドに、ザックスは満面の笑みでこう告げた。
「明日、一緒にクッキー作ろっ♪」
「えっ?」
「お前、甘いの大好きだろ? だから、めちゃくちゃ甘いクッキー作ろうぜ!」
トッピングの用意は既に万全。砂糖まぶしにするも良し、蜂蜜で味付けするも良し。
「俺とクラウドで作れば、めっちゃ甘いのができるって!」
それを聞いたクラウドの頬が、花が咲くようにぱっと染まった。次第にその頬は緩んでいき、もじもじと照れ臭そうに、それでも視線はザックスを見上げ。
「うん。楽しみ」
きらきら輝く碧い宝石は、はにかむ彼を一層いとおしく感じさせた。
途端、まっしろになる頭の中。
「……クラウド。クラウドぉっ!!」
「ひゃあっ!!」
前触れもなしに遠慮なく飛びつかれ、クラウドは仰天して声を上げた。
「な、なにっ!?」
「もぉ、なんでそんなに可愛いんだよお前はっ!!」
「えっ、えっ?」
上目遣いに可愛い仕種をされ、ザックスの理性は見事にフリーズ。暫く触れ合っていなかったことも相俟って、ザックスは衝動に任せてクラウドを抱き締めていた。
「甘いクッキー作るより、甘いお前のこと食べちゃいたいっ!!」
「え、ちょ、ちょっと、や、や、やだっ!」
「お願いっクラウド! 1回だけでいーからっ!!」
ザックスがこうなってしまったら、ちょっとやそっとでは止まらない。そうと分かっていながらも、クラウドは健気に懇願する。
「そっ、それで、明日一緒にお菓子作れなくなったらやだぁっ…!」
その必死なひと言に、ザックスは再びフリーズした。どうやら、愛しい人の懇願に、一応理性が戻ったようだ。
ぎゅうとクラウドを抱き締めたまま、彼はいきなり真面目な顔で、「それもそうか」と納得する。それで欲を抑え込むのだから、それはそれで見事というか。
大人しくクラウドを解放すると、ザックスは苦笑しながらクラウドの頭を優しく撫でた。
「ごめん、ごめん。そうだよな」
「ん…」
「んじゃ、今日はこれで我慢しとく♪」
あっけらかんとそう告げて、クラウドには驚く暇さえ与えず。ザックスはクラウドに深く口付けた。
クラウドは初め、慌てて抵抗を試みた。けれどそれも僅かな間、熱い舌にとろけてしまったか、縋るようにザックスにしがみつく。
名残惜しそうに銀糸を引きながらザックスがそっと離れれば、空色の瞳に映るのは、海色を潤ませ頬を赤らめた、愛しい人の可愛いかんばせ。
「ん、甘い」
「……っ」
にっこり笑ってそう告げれば、クラウドはますます頬を染めた。
何か甘いものでも食べていたのか、クラウドの唇は本当に甘くて。ザックスは優しくクラウドを抱き締める。クラウドもすぐに、ザックスに回した腕に力を込めた。
「クラウド、大好き。愛してる」
「ん…、ザックス、俺…も」
「うん。大好き」
愛しい人の耳元に囁く。ただ感じるのは甘い時。
例えば、砂糖でまぶしてみて。
或いはたっぷり蜂蜜をかけ。
さてはて、どこまで甘くなるでしょう?
恋人たちの、あまい休日。
fin.
戦BAの半兵衛と、FF7のザックラにぞっこんフィーバー中。
09/02/19 ブログ始動